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お互いの違いを理解し誰もが自分らしく

広報はままつ2024年8月号の「LOVE SPORTS」では、6月23日(日曜日)に開催した「Challenge to インクルーシブ in 浜松 2024」 の実行委員長 中川 晃さんと、実行委員 寺田 美穂子さんにインタビューしました。

今年初めてのイベンと聞きました。開催のきっかけを教えてください。

中川さん
もともとは昨年の秋に知人から、スポーツで浜松を盛り上げられないかと相談を受けたのがきっかけです。最終的な目標として、浜松をより良くしたいという気持ちは皆一致していたものの、どのようにかたちにしたらいいのか分からず、まずはどうしたらより良くなるのか、話し合いを重ねました。そして「インクルーシブな社会」、つまりみんながお互いの違いを受け入れ合い、共に自分らしく生きられる社会になれば浜松がもっと良くなるのではと考え、「スポーツ」「食」「遊び」の3つを柱にそれらを通してインクルーシブな社会を体感できるイベントを計画していきました。
「遊び」の部分についてはこれまでさまざまなプロジェクトに参加してきた遊びのスペシャリストである寺田さんに声を掛けさせてもらいました。

企画、運営をするにあたって、苦労したことはありますか。

中川さん
私たちが目指すインクルーシブな社会とは?というところを言語化して、企業や、団体に説明するのが難しかったです。皆さん、言葉は聞いたことはあっても、分かっているようでよく分からないというのが正直な感想でした。協力いただく企業へ繰り返し説明したり、いろいろなものに例えてお話ししたりしました。

イベントを終えて、印象に残っていることはありますか。

寺田さん
通常のイベントだと、福祉系のブース、飲食系のブース、スポーツチームのブースとカテゴリー分けされてそれぞれ固まって並んでいることが多いのですが、今回のイベントではブースの配置をあえて“ごちゃまぜ”にしたんです。ガス会社のブースの隣に福祉施設のブース、その隣にプロスポーツチームのブースといったようにです。こうすることで、来場者の興味を引きますし、出展者側も異業種の交流が生まれました。
イベント開始前に近くのブースの人同士で円陣を組んでいる様子が印象的でした。来場者だけでなく、出展者も楽しんでいてうれしかったです。

会場ではスタッフTシャツを着た人を多く見掛けました。

寺田さん
準備の段階から含めるとおよそ400人がスタッフとして参加し、そのうち350人がボランティアとして活動してくれました。「する」だけでなく、「見る」「支える・応援する」もスポーツや遊びの重要な要素だと感じています。

さまざまなプロスポーツチームも出展し、当日のイベントプログラムには選手たちも参加していましたね。

寺田さん
スポーツが広がっていくかは、どれだけ「楽しい」という土台を厚くするかだと思います。それぞれの分野で活躍するトップ選手が来場者と一緒に体を動かして、スポーツの楽しさを体現し共有することは、とても意味のあることだと思います。また地元のチーム同士が交流し、横のつながりができることで、より一層スポーツで地域が盛り上がっていけばうれしいです。

今後の展望を教えてください。

中川さん
2025年も秋以降に開催を予定しています。こういったイベントは継続することが大切だと思っています。今年来場した人が、来年はほかの人を呼び、そして再来年にはまたその人たちが誰かを連れて来場してくれるというように増えていって実際に体感してもらえれば、インクルーシブな社会への理解が深まり、浜松がもっと良くなるのではと思います。

取材を終えて・・・

浜松を良くしたいという思いから実現したこのイベント。“インクルーシブ”と聞くとなんだか少しハードルが高いような気もしますが、実際にイベントを訪れてみると、障がいのある人も、ない人も、年齢も性別も国籍もさまざまな人たちがたくさん集まっていて、とても明るく楽しい雰囲気で、誰でも受け入れてくれる感じがしました。

会場にはボランティアスタッフが、困っている人やお手伝いが必要な人に積極的に声を掛けていて、みんなが楽しめるイベントにするためにサポートしている姿がとても印象的でした。言語スタッフ、一般スタッフ、スペシャリストといて、分かりやすいようにそれぞれ色の違うTシャツを着ていました。

言葉で説明するのはなかなか難しいですが、イベントに参加し体感することで、「インクルーシブな社会」を考える良い機会になりました。

来年(2025年)も開催予定ということで、とても楽しみです。中川さん、寺田さん、今回は取材に応じてくださり、ありがとうございました。

イベント当日の様子


この記事は、インタビュー当日(2024年6月)時点の内容で作成しています文:広報はままつ編集メンバー