浜松市の実証実験を紹介します 〜防災用備蓄品を活用して、生理用品を入手しやすい環境をつくる〜
広報はままつ10月号に掲載しているこちらの実証実験のお知らせ。紙面ではいろいろなお知らせの中の一つなので簡潔な記述となっていますが、実証実験が実現するまでには、開発メーカーと浜松市の様々な創意工夫が積み重ねられてきました。
完成までの道のり
ディスペンサーの開発を担当したシャープ株式会社のnoteで、構想段階から完成までの様子が詳しく紹介されています。ぜひご覧ください!
私もナプキンに使用期限があることを知らなかった一人です✋ 期限が近くなった防災備蓄品を有効利用することは、とても有意義だと思いました。また、ディスペンサーの仕様を決めていった経緯や、非接触でディスペンサーの扉が開く仕組みなどの技術面のお話を興味深く拝読しました。
防災備蓄品を有効活用した生理用ナプキンIoTディスペンサー設置の取り組みは全国で初めてとのことで、私自身も浜松市民として誇らしく感じました。
ディスペンサーを見に行きました
広聴広報課の入っている浜松市役所本館でもディスペンサーが設置されたので、実際に見に行ってみました。
担当課インタビュー
実証実験が始まって1週間が経った頃、UD・男女共同参画課の職員に今回の実証実験について質問してみました。
Q. 設置してからどんな反響がありましたか
「ディスペンサーをご利用いただいた方からは、『利用登録が必要なく、すぐに使えるので助かった』『ホルモンバランスが不安定なので急に生理がくることがあるが、いつでもトイレにあると非常に便利』などといったお声をいただいています。
また、ディスペンサー設置のニュースを見た他自治体や男女共同参画センターの職員などから、実証実験について質問のお電話をいただき、反響の大きさを感じています」
Q. 実証実験の利用状況のデータ分析はどのように行うのでしょうか
「ディスペンサーに内蔵したセンサーからナプキンの枚数を感知・記録する『在庫管理システム』をもとに、施設ごとの利用状況や配布数を分析し、ニーズ把握をします。
さらに、利用者アンケートをとり、結果を様々な角度から分析します。また、運用していく中で課題も明らかになることから、それらを総合して今後の事業展開について判断していきます」
Q. この実証実験をどういうものにしていきたいですか。
「今回の実証実験は、全国で初めての取り組みとなるため、まずはたくさんの方にご利用いただき、生理用ナプキンIoTディスペンサーに対するご意見をより多くいただきたいと考えています。その中で、ニーズの把握ができれば、設置施設や台数の拡大などの検討に入っていきます。
実証実験の結果次第ではありますが、この取り組みが社会実装へとつながり、防災備蓄品の有効活用のみならず、トイレットペーパーと同じように、生理用品を使いたいときに誰でも使えることが当たり前な社会の実現を目指していきたいと思っています」
Q. 今後の展望を教えてください!
「生理については、多くの女性が直面している問題にもかかわらず、男性だけでなく女性自身も知識が不十分であることがあります。また、周囲の理解が得られず悩んでいる方も多くいらっしゃいます。
この取り組みをきっかけとして、多くの人の生理に関する知識や理解の向上につなげていけたらと思っています。今後も、誰もが自分らしく活躍できる社会の実現を目指していきます」
─────生理の悩みに対応するためにスタートした今回の実証実験。次の展開につながっていくと良いなと思いました。
広報はままつでは市域全体のお知らせを掲載しているため、広く浅く……といった取り上げ方になってしまいがちなのですが、一つの事業を掘り下げてみると、そこにはさまざまなストーリーがあることが分かりました。こうした深みを記事制作に活かしていきたいです。
生理用ナプキンIoTディスペンサー設置実証実験についての詳しい内容は浜松市ホームページをご確認ください。
広報はままつとnoteでは、今後も、市で行っている実証実験についてお伝えしていく予定です。
文・写真/広報はままつ編集メンバー