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花とレコードが迎える鴨江アートセンターの《ヒュッゲ》な空間

ちょっとした空間を彩る花たち

広報はままつの記事の打ち合わせで鴨江アートセンターを訪れたときのこと。以前と比べて、ロビーの雰囲気が華やかになっていることに気付きました。テーブルや棚の上など、あちらこちらの小さなスペースに、花が飾られていたのです。


1階ロビーのそこここに花が生けてありました。

思い返せば数分前……、建物に入ったときも、プランターに植わっていた鮮やかな色の花が目を引きました。

以前訪れたときはこのような花は無かったはず….何か特別なイベントがあるのですか?と、打ち合わせ相手の鴨江アートセンター・アートコーディネーターの松岡瑠璃さんに質問したところ、「いえ、最近は特別なことがなくても毎日お花を飾っているのです」と教えてくださいました。

松岡さんによると、鴨江アートセンターの建物は、元々警察署として建てられたもの(建物の詳細/鴨江アートセンターのホームページ)。建物自体が、厳格で立ち寄り難い雰囲気を持っているため、花を飾ることでウェルカムな感じを出すようにしているそうです。

さらに、「この活動はヒュッゲという言葉がキーワードになっています」と、松岡さん。

Hygge(ヒュッゲ)はデンマーク語で「心地の良い空間」という意味の言葉です。例えばお気に入りの場所でゆっくりと珈琲を飲んだり、季節の花を飾ったり、キャンドルをともして食事をしたり…。冬が長い北欧では、誰かといっしょに心地よく過ごすHyggeな時間が、心を満たしてくれるといいます。

鴨江アートセンターのホームページより引用

1階ロビーに本やレコードを揃えるほか、2021年頃からは、玄関やロビーに季節の花々を飾り、ヒュッゲをテーマにした心地いい空間をつくっているそうです。

ロビーの休憩スペースでは本やレコードを自由に楽しむことができます

館長に聞いてみた

私「お花はどなたが飾っているのでしょうか?」

松岡さん「館長が自ら飾っています。今、ちょうど館長がお花の作業をしているところなのですが、話してみますか?」

お言葉に甘えて、花の種類などを聞いてみることにしました。

鴨江アートセンターの館長である村松 厚さんは、浜松市出身で、スウェーデン、デンマーク、オランダ、ドイツに通算10年駐在した経験のある方です。

村松館長「ここで飾る花は、毎日、自宅の庭から持ってきています。アジサイやナンテンなどの枝ものや、草花などを使います。庭では、こぼれ種で自然に増えて、かわいい花を咲かせる植物もあるのですよ。ポーチュラカやニチニチソウなどは乾燥にも強いので、暑い時季の彩りに重宝しました」

そして、気になる《ヒュッゲ》について。

村松館長「スウェーデンやノルウェーなどでは、冬は夜が長いため自宅で過ごす時間が長く、自宅で快適に過ごせるような工夫がされています。それを表すのが《ヒュッゲ》という言葉です。鴨江アートセンターでは、ヒュッゲをテーマに、心地よい空間をつくっています。自宅や学校、職場などとは別にリラックスできる普段の居場所の一つとして、鴨江アートセンターを気軽に使ってほしいです」

気軽に立ち寄れる素敵な空間

話を聞いていて感じたのが、鴨江アートセンターでは、アートへの敷居を低くしようしていること。朝市「かもえのあさいち」やアーティストショップなどを開催してアートに触れる機会をつくったり、初心者でも楽しめるワークショップを開催したり。日常を少し違った視点で楽しめるような取り組みがされていました。

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1階のロビーや2階の休憩スペースは誰でも自由に使えるほか、日によってはアーティスト・イン・レジデンスに参加しているアーティストのアトリエを覗くこともできます。軽い息抜きになったり、新たなやる気を得られたりするような素敵な空間を、ふらりと訪ねてみませんか。

文・写真/広報はままつ編集メンバー

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