浜松生まれの蒲冠者・源範頼の伝説残る蒲ザクラ/広報はままつ3月号のこぼればなし
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浜松生まれの蒲冠者・源範頼の伝説残る蒲ザクラ/広報はままつ3月号のこぼればなし

日に日に春めいてきました。まもなく桜の便りが聞こえるころ。広報はままつ3月号の「出世大名家康くんのおでかけ日記」では、身近に観賞できるいろいろな桜の種類を紹介しました。紙面のなかでも大きく取り上げたのが、「蒲(かば)ザクラ」です。蒲ザクラにまつわる伝説を紙面では省略してしまったので、この記事で紹介します。


桜の種類いろいろ/蒲ザクラとは

お花見では一般的にソメイヨシノを見に行くことが多いと思いますが、桜の品種によって、咲く時期や花弁の色、形などはさまざま。今年の春は、いろいろな桜の姿を楽しんでみてはいかがでしょうか。

早咲きの河津桜はもう各地で見頃を迎えましたね。

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写真:はままつフラワーパーク


樺桜

【蒲ザクラ】
エドヒガンとヤマザクラの自然雑種とされている。浜松市東区の蒲地区などに植樹されている蒲ザクラは、国指定天然記念物「石戸蒲ザクラ」(埼玉県北本市)の後継樹。

蒲ザクラという名は、源範頼(みなもとののりより)が由来。範頼は浜松(遠江)の「蒲御厨(かばのみくりや)」で生まれ育ったため、蒲冠者(かばのかじゃ)と呼ばれています。範頼が植えたという伝説が残っていることから「蒲ザクラ」と呼ばれています。

ちなみに範頼は鎌倉幕府を開いた源頼朝の異母兄弟で、平家討伐でも活躍しました。平安時代末から鎌倉時代前期が舞台となる2022年の大河ドラマにも登場予定とのことです😆

北本市と鈴鹿市に残る蒲ザクラの伝説

蒲ザクラの伝説を、地元の自治会がまとめた冊子「飯田地区浜松市合併五十周年記念誌『わがまち飯田』」(飯田地区自治会連合会発行、平成16年)から引用します。埼玉県北本市と三重県鈴鹿市の両方で、範頼が植えた(大地にさした)とされる木の伝説が残っています。

治承4年(1180)兄頼朝が源氏再興の挙兵のとき、石戸郷(埼玉県北本市)の安達藤九郎の領地に迎えられ、その時範頼が蒲御厨より持ってきた桜が、現在日本五大桜の一つ『蒲桜』として北本市東光寺にあり、国指定天然記念物となっています。
寿永3年(1184)、範頼が義経とともに平家追討のため、西へ向かう途中、石薬師寺に詣でて武運を祈願し、戦運を占うために、鞭にしていた桜の枝を地面に逆さに指して、「我が願い叶いなば、汝地に生きよ」と言って去ります。それが根付いて成長したのが『石薬師の蒲ザクラ』で、三重県天然記念物となっています。

石戸蒲ザクラの伝説には諸説あるようで、「源範頼が落ちのびるときに突いてきた杖をさしたら根付いた」「範頼が駒を止めて兜を掛けた桜」「範頼お手植えの桜」「家臣が植えた範頼の墓標」などとも伝えられているようです。(出典:「石戸蒲ザクラの今昔」北本市教育委員会発行、平成20年)

範頼は日本の歴史のなかで決して目立つ存在ではありませんが、多くの伝説が残されていることが分かりました。蒲ザクラのほか、愛馬にまつわる伝説、最期についてのさまざまな説などが各地で語り継がれています。

浜松市内で蒲ザクラを見ることができる場所

現在、浜松市内では、蒲神明宮(蒲御厨に創設された神明宮)のほか東区と南区をまたがる地域(蒲御厨があったとされる場所)を中心に蒲ザクラが植樹されています。

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蒲神明宮(浜松市東区神立町)の蒲ザクラ


南区青屋町のふれあい交流センター青龍には、石薬師から寄贈された苗木が植えられています。南区飯田町の稲荷山龍泉寺には、北本市から寄贈された苗木と、鈴鹿市の石薬師から寄贈された苗木が植えられています。

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稲荷山龍泉寺(浜松市南区飯田町)の蒲ザクラ


東区の蒲地区では、同地区を蒲ザクラの名所にしようという取り組みも。北本市から譲り受けた苗木が公園や小学校に植えられています。

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大蒲公園(浜松市東区大蒲町)の蒲ザクラ


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小宮公園(浜松市東区子安町)の蒲ザクラ


また、2014年から5年間かけて、東区上西町から神立町までの芳川沿い(下地図)に100本の蒲ザクラを植えるプロジェクトが行われました。木が生長し、花を観賞できるようになるまでにはもう少しかかりそうですが、近い将来、範頼ゆかりの美しい桜並木を愛でることができそうです。


毎年変わらずに咲く桜の姿を見ると、元気が出ます。まずは身近な場所へ、お出かけしてみては。遠方にお住まいの方も、感染拡大の心配なく旅行できるようになったらぜひ浜松の蒲ザクラを見に来てください!


お暇なとき、またのぞきに来てくださいね
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