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徳川家康が好んだ浜納豆。浜松では給食にも登場。

年明けから放送される2023年の大河ドラマの主人公は、徳川家康公です。家康公が29歳から45歳まで過ごした浜松でも、現在、大河ドラマ館がオープン間近であったり関連イベントが開催されたりして市全体で盛り上がりをみせています。いろいろな場所に掲示されているポスターを見ると、ドラマへの期待も高まります!



そんな家康公ゆかりの食材として、広報はままつでは以前、伝統的食材「浜納豆」を取り上げました。今回は、こぼれ話を交えながら浜納豆を紹介します。


浜納豆とは……

大豆をこうじ菌で発酵させて作る浜納豆。中国から伝わり、大福寺(浜松市北区三ヶ日町福長)が400年ほど前に製造した塩辛納豆が元祖とされています。家康公はこの納豆を好み、ある年の献上が遅れた際に「浜名の納豆はまだ来ぬか」と言ったことから「浜納豆」と呼ばれるようになったといわれています。

広報はままつ2022年10月号3ページから引用

補足をすると、「浜名の納豆はまだ来ぬか」→「浜名納豆」→「浜納豆」という順番で浜納豆と呼ばれるようになったといわれているそうです。

納豆といっても糸を引いたりせず、乾燥していてころころとした見た目をしています。そのまま食べると、とてもしょっぱい! 発酵させているためか、味噌に似た濃い味がします。

浜松市内の小・中学校の給食では、毎年6月の「ふるさと給食週間」に、浜納豆を隠し味に入れた「家康くんカレー」を出している学校があります。給食にまつわる話や、家庭でのおすすめの食べ方を、給食を担当している健康安全課の栄養士さんに話を聞きました。聞いた内容は、紙面でも一部紹介しましたが、noteでは紙面で省略した話も含めて紹介します。


家康くんカレー


給食の浜納豆について、学校栄養士さんに聞いてみた


  • いつ頃から給食に浜納豆を出していますか?

確認できた一番古い記録では、およそ25年前(1990年代)に出していたことが分かっています。その頃から、給食で地元の食材に親しんでもらうという目的があったようです。

  • どんな料理に浜納豆を使っていますか?

煮物(浜納豆煮)やイワシの煮物、麻婆豆腐などに隠し味として使ってきました。カレーに使うようになったのは、7年ほど前(2015年頃)からです。

  • 「家康くんカレー」が生まれたきっかけは?

当時、浜松の航空自衛隊が「家康くんカレー」を考案し、基地の食堂で出していたのが話題になっていました。そのレシピを聞いて、アレンジしたのが給食に登場する「家康くんカレー」です。

  • カレーにはどんな具材が入っていますか?

給食の献立は学校単位で異なりますが、ジャガイモや玉ネギ、ニンジンなどの入る通常のカレーに、浜納豆と、サツマイモやセルリーを追加しています。浜松市には三方原馬鈴薯や早堀りサツマイモなどがあり、セルリーは冬場の生産量日本一です。
サツマイモを入れると、カレーの辛さの中に甘みが感じられます。また、皮付きで入れると彩りにもなります。浜納豆は、みじん切りにして入れています。カレーに浜納豆を入れることで、味に深みが出ます。

  • 家庭で浜納豆を食べる場合、おすすめの食べ方はありますか?

塩気があるので、調味料として使うのがおすすめです。野菜炒めや味噌煮込み、カレー、ミートソースなどに入れると味に深みが出ますよ😊

25年以上の歴史がある給食の浜納豆

給食で出てくる浜納豆は、25年以上の歴史があることが分かりました。子供の頃から浜松に住んでいる人に聞いたところ、「浜納豆煮」を知っているという声が多かったです。隠し味として使われてきたようなので、知らず知らずのうちに親しんできた人もいるかもしれません。筆者は市外出身なので大人になってから初めて浜納豆を食べました。中華料理に使われる豆鼓(トーチ)に似ているなと感じました。

浜納豆は、大福寺(大福寺納豆という名前で冬季に販売)のほか、市内のスーパーや百貨店などで買うことができます。家康公が好んだ浜納豆。皆さんもぜひ味わってみてください!