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地図アプリを防災マップに活用!親子で学ぶ防災デジタル教室が開催されました

南海トラフ巨大地震での甚大な被害が予想されている浜松市。いつ起きるか分からない災害から市民の皆さんが自らの命を守るため、活用が期待されているのがデジタル技術です。10月8日(土)に浜松市防災学習センター「はま防~家」(読み方:はまぼーや)で、「防災デジタル教室 家族で挑戦!防災まちあるき」(以下、防災デジタル教室)が開かれました。

防災デジタル教室は、浜松市が主催する「浜松デジタル・スマートシティMONTH(月間)※」の冠事業ひとつ。浜松市では、市民の皆さんにデジタル・スマートシティを身近に感じてもらう月間として、毎年10月を「浜松デジタル・スマートシティMONTH」と位置づけています。

MONTH期間中には、さまざまな市民団体・民間事業者によるイベントやセミナーが「冠事業」として開催され、市民の皆さんが「デジタル・スマートシティ浜松」に触れることができる機会となっています。

その中の1つである防災デジタル教室は、デジタルを活用した災害への備え方を親子で学んでいただく機会となりました。本記事では当日の様子をお伝えします。

※浜松デジタル・スマートシティMONTHの概要や事業は、浜松市の公式サイトよりご確認いただけます。


無料の地図アプリを使えばオリジナルの防災マップも作れる

浜松市防災学習センターは、防災や災害について学べる体験型施設です。次世代の担い手となる小・中学生をおもな対象とし、自らが防災について「考え・備え・行動できる」ためのさまざまなプログラムが用意されています。

たとえば、浜松市の自然・災害特性を、地形模型とプロジェクションマッピングで紹介する「デジタルはまマップ」や、クイズに答えて家屋の防災がわかる「そなえミッション」などのコンテンツが充実しています。

そんな防災学習センターの管理・運営は、認定NPO法人浜松子育てネットワークぴっぴ(以下、ぴっぴ)と遠鉄アシスト株式会社との共同体が受託。防災に関する知識と情報を市民の皆さんに届けたいとの想いから、講座やイベントも定期的に開催しています。

そんな中、浜松デジタル・スマートシティMONTH向けに企画されたのが、今回の防災デジタル教室です。今年度は10月8日(土)に午前の部・午後の部の2部制で開催し、午前の部には7名3組、今回レポートする午後の部には10名4組の、市内在住の小中学生のお子さんとその親御さんが参加しました。

まちあるきと座学で楽しく防災を学べる講座と聞き、期待が高まります。さっそく、まちあるきに同行しましょう!

いつも何気なく歩いている道路も、災害が起きたときには地域の避難経路となります。住まいや学校・職場の周辺がどんな状況で、どんな危険が潜んでいるかを知っておくことは、防災上とても大切なことです。

「道ばたに何気なく置かれている看板やブロック塀、自動販売機なども、災害時には倒壊して、皆さんの身に危険が及ぶかもしれません」と解説するのは、今回の企画・ガイドを務めるぴっぴ職員の落合秀真さんです。

落合さん

落合さんの解説を聞きながら、子どもたちはタブレットを操作していきます。無料で使える地図アプリの「Googleマップ」上に、危険が予測される設備や避難所などのデータを地点登録しているのです。


「地震のときは、あの看板の下を歩くと危ないね」「いざという時に地域の人が集まったり、何らかの拠点になったりする可能性がある場所も把握しておこう」など、親子の会話もはずみます。1時間のまちあるきはあっという間に終了し、防災センターに戻るころにはオリジナルの防災マップが完成しました。


信頼できるデジタルサービスを活用し正しい情報収集を

まちあるきから戻ったら、防災や災害に関する情報収集について学ぶ座学の時間です。正しい情報をタイムリーに入手することは、災害時の生命線。得たい情報や地域に合わせて、信頼できる情報源を持ちましょう。

落合さんから、以下3つのデジタルサービスが紹介されました。

1.浜松市ハザードマップ(浜松市防災マップ・津波浸水マップ)

2.総合防災アプリ「静岡県防災」

3.Yahoo!防災速報


1.浜松市ハザードマップ(浜松市防災マップ・津波浸水マップ)

自然災害による被災想定区域や災害の種類別の緊急避難場所などの情報を地図上に表示した「ハザードマップ」が、浜松市の公式HPより閲覧できます。洪水や地震といった災害の種類別に被害予測が確認でき、避難する際の避難経路を検討するときに役立ちます。また、災害発生時には、開設している緊急避難場所や避難情報が発令されているエリアを確認できます。


2.総合防災アプリ「静岡県防災」

引用:静岡県HP

静岡県防災」は、災害から命を守るために役立つ機能を幅広く備えたスマートフォン向けアプリです。マップ上で現在地周辺の避難場所を確認でき、避難コンパスやARカメラ機能が災害時の避難行動をサポートしてくれます。避難トレーニング機能や防災にまつわる学習コンテンツなど、災害が起こる前の準備に最適な機能も充実しています。


3.Yahoo!防災速報

引用:Yahoo! 防災速報HP

4,000万ダウンロード突破の「Yahoo!防災速報」でも、リアルな災害・防災情報を収集できます。さまざまな天気・災害情報に対応し、ライフラインの供給情報や報道情報などをリアルタイムに把握できるのが特徴です。ユーザー同士で災害の状況を共有する機能により、災害の発生状況をくわしく知ることができます。


いつでも・どこでも災害・防災情報を得られることは、防災にデジタルを活用するメリットだといえます。しかし、情報が溢れている現代だからこそ注意が必要だ、と落合さんは念を押します。過去、国内において実際にSNS上で拡散された架空のニュースやデマの例を用いながら、事実と異なる情報への注意を呼びかけました。

「被災してしまったときに偽の情報に惑わされないよう、日ごろの小さな行動を積み重ねましょう。防災アプリの情報をチェックしてみる、ハザードマップを確認しておくといった行動が、正しい災害情報を見分けるための予備知識となります。災害時を想定してできることを、平常時のうちからぜひ実践してください」と、締めくくりました。


驚きの声が上がったり、防災について親子で真剣に考えたり、終始盛りあがった今回の防災デジタル教室。参加者の皆さんは何を感じ、何を学んだのでしょうか? 参加した親子に感想を聞きました。

ーーどんなきっかけで参加しましたか?

親御さん:災害の備えをきちんとしたいと考えていたところ、息子が「防災センターの社会科見学がおもしろかったから、また行きたい」と言いまして。意識づけのよい機会になると考え、4人の家族全員で参加することにしました。

親御さん:きっかけは娘の希望でしたが、被災時を想定して市街地を歩いておくのは参考になると考え参加を決めました。郊外で暮らしており、倒壊の恐れがある建造物も自宅の周辺にはありません。今日は、まちなかの危険をたくさん認識でき、とても勉強になりました。


ーー防災デジタル教室に参加してみて、どうでしたか?

お子さん:ブロック塀とか看板とか、道ばたにこんなにたくさんの危険があってビックリしました。そういう場所を全部、タブレットに記録していったのが楽しかった。こういう教室があったら、また来たいです。

お子さん:去年、夏休みの自由研究で、自宅周辺の防災マップを作りました。今日は、はじめて見つけた危険箇所があって楽しかった。マンホールの危険には気付いていなかったし、設置方法によってはエアコンの室外機の落下にも気を付けなければいけないのは驚いた。

ほかにも「帰宅したら、自宅の備えを万全にしたい」という具体的な行動につながる感想も。参加者の皆さんは、それぞれに防災意識が高まったようでした。


防災に欠かせないデジタル化、情報格差の解消に貢献したい

防災デジタル教室を企画した背景について、落合さんは「防災意識を高めるためには、子どものころから防災について知ってもらうことが大事です。デジタルを活用することで、より効果的な防災対策が取れることもお伝えできたら」と語ります。

被災地支援やボランティアにも足を運ぶ落合さん。スマホを持たない年配者が給水情報を得られず生活に困るなど、情報格差が命の危険に直結している現場を目の当たりにしてきたと言います。

災害発生時には自分から情報をつかみにいく努力も必要で、そのためにもデジタルの活用は避けて通れません。市域の広い浜松市だからこそ、誰ひとり取り残されることなく市民の皆さんが必要な防災情報にアクセスできるよう、情報格差の解消に努めていきたい」と続けました。

浜松市防災学習センターでは、防災・災害に関する講座やイベントを今後も開催予定です。詳細は公式ホームページよりご覧ください。



浜松市とともにデジタル・スマートシティの取組を推進する事業者を募集中

浜松市デジタル・スマートシティ官民連携プラットフォームは、官民連携でデジタル・スマートシティ浜松の取組を推進していくプラットフォームです。本プラットフォームでは、デジタルを活用し、市民生活の質の向上や地域課題の解決に一緒に取り組んでくださる事業者の皆様を募集しています。

ぜひ以下のページよりご参加をご検討ください。

浜松市デジタル・スマートシティ官民連携プラットフォーム


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