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2040年の未来はどんな暮らし? デジタルな社会について考える講師派遣事業を篠原小学校で開催しました

浜松市では、民間企業・団体との連携を通じて、便利で豊かに暮らせる街づくりを進める「デジタル・スマートシティ官民連携プラットフォーム(以下、官民連携PF)」を運営しています。

官民連携PFの中でも大切な取り組みの1つが、未来に向けたデジタル人材の育成です。そこで2022年度新たに、市内の小中学校・高校向けに、デジタルに関連した授業を開催する「講師派遣制度」が創設されました。

今期は、官民連携PFの参画企業12社から協力いただき、最先端のIT技術やスマートシティをテーマにした多彩な授業を展開しています。さっそく2022年7月8日(金)に、初の授業となるソフトバンク株式会社(以下「ソフトバンク社」」の「ミライの社会を覗いてみよう!」が、浜松市立篠原小学校(浜松市西区)で開かれました。

生きる力の醸成を目的とする総合学習の1コマを使って実施された本授業。子どもたちにどのような心境の変化が訪れたでしょうか? 当日の様子をレポートします。

参考:浜松市「デジタルファースト宣言」


ソフトバンクだからこそできる授業を地元の浜松に届けたい

ソフトバンク社より登壇したのは、公共事業推進本部の西郷 龍太郎さん。ご自身も浜松市の出身であり、ぜひ地元で授業を行いたいと東京の本社からお越しくださいました。

スマートフォンや通信技術のイメージが強いソフトバンク社ですが、じつは生活を豊かにするさまざまなサービスを展開しています。Yahoo! JAPANやLINEのほか、スマホ決済のPayPayもソフトバンクグループの事業です。技術基盤の面では、あらゆるモノをインターネットにつなぐIoTや人工知能(AI)、さらには自動運転などの開発も手がけています。

そんなソフトバンク社が今回の授業で掲げたテーマが「ミライの社会を覗いてみよう!」。ドラマ仕立ての動画コンテンツを通じて、2040年には当たり前になっているであろう未来の暮らしを体感します。

このテーマを選んだ理由を、西郷さんは次のように話してくださいました。

「人々の幸せに貢献するためのさまざまなIT事業を展開しているソフトバンクグループだからこそできる授業は何かと検討しました。また、ソフトバンクグループでは代表の孫が、『次世代の人材育成』をとても大切に考えています。
そうした背景から、篠原小学校6年生のみなさんに2040年の未来を体感してもらおう。そして、最先端技術を活用して豊かな社会を創る仕事に、少しでも興味をもってもらえたらと思いました。今日は、未来を創造する世代のみなさんにお話する機会をいただき、とてもありがたく思います」


今後20年ほどで訪れるデジタルな暮らしを体感してみよう!

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」特設ページ

今から22年先の未来に、いったい私たちはどんな暮らしをしているでしょうか? 今回は6年生の4クラス、総勢で約120名が授業へ参加してくれました。ソフトバンク社制作の動画コンテンツ「すごい明日 体感ドラマ」を視聴しながら、来たるべき未来の暮らしについて考えを深めました。

スマホもカバンも持たない暮らしが当たり前に!?

ドラマの主人公は、20代前半の男性......ですが、ある朝目を覚ますと、なんと2040年の未来にタイムスリップしていました。年齢は43歳になり、勤め先へ出勤する “いつもの朝” を迎えているのでした。

主人公は目覚めてすぐ、寝室の様子がもといた部屋と異なることに気付きます。クローゼットの鏡面や冷蔵庫の壁面にはタッチディスプレイが埋め込まれており、その日の服装や朝食レシピをオススメしてくれるのです。

どうやら、あらゆる家具・家電がインターネットにつながり、アプリケーションが搭載されている様子......。主人公が朝食を取ろうとダイニングテーブルに着席すると、その卓上には今日のニュースや天気といった情報が映しだされ、AIが読み上げてくれるのでした。

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」

もはやスマートフォンやパソコンは登場しません。AR(拡張現実)が搭載されたメガネやコンタクトレンズ、骨伝導マイクなどの端末を身に着けるだけで、さまざまなICTサービスが利用できるためです。

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」

ARの操作も、目の前に映し出されるバーチャル空間上で指を動かしたり、AIに音声でやってほしいことを伝えたりするだけ。

現実空間上にコンピューター上の情報を重ね合わせて映しだすARの技術と、大容量のデータを高速でやり取りできる通信技術が普及することで、このような暮らしが当たり前になっていきます。

身支度を整え、いざ出勤です。自宅の外に出ると、生活のあらゆるシーンがAIカメラによって見守られています。事故や異常に備えた安心で安全な街づくりが行われているのです。

じつは「すごい明日 体感ドラマ」は、視聴者の選択によってストーリーが変化します。オフィスまでの出勤手段は、電車にしますか?それとも車がいいですか?車社会の浜松らしく、篠原小学校のみなさんは「車通勤」を選択しました。

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」

路上にさっそうと登場したのは、「すごいクルマ」。予約した時間に指定した場所へ迎えに来てくれる自動運転のクルマです。移動時間は、仕事や読書、リフレッシュなど、好きなことができる時間に早変わり。空には、街のすみずみまで荷物を届けてくれる「すごい配送ドローン」が飛んでいました。

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」

もはやどこにいても、その場ですばやくビジネス上の業務や手続きに対応できる時代です。

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」

仕事に必要なあらゆる情報やアプリケーションも、すべてウェアラブル端末と同期しています。「スケジュール」と一声かければ、AIが音声を認識し、その日の予定やカレンダーをAR上に表示してくれます。

カフェ(飲食店)は顔認証による事前予約かつキャッシュレス決済が当たり前となっており、店内は混雑知らず。気が向いたときに好きなお店へ、手ぶらで立ち寄れるのでした。

生活も仕事も、ストレスなく快適に送れるようになった2040年。幸せな1日を過ごした主人公は、「本当にスゴイな」と感想を漏らし、眠りにつきます。次に目を覚ますと、20代の自分に戻っていました。

引用:ソフトバンク「すごい明日 体感ドラマ」

情報革新で人々の幸せに貢献することを経営理念に掲げるソフトバンクグループ。ソフトバンク社は、自動運転やAR技術、ドローンといったさまざまなITサービスの開発を通じ、安心で便利な未来の暮らしを実現するデジタル分野の土台を創り上げているのですね。

今日、すでに実現している技術もある

ドラマで見た2040年は、あらゆるモノがインターネットに繋がり、人がAI・機械と共存・協力している未来でした。みなさんは、こんな未来がやってくることを信じられますか?

西郷さんは、ドラマで見てもらった中に、今すでに実現している技術がいくつかあると言いました。たとえば、スマホで予約した時間に指定の場所までバスを呼べるサービスや、ドローンに載せた荷物を空中から運べる技術など。

そんな中、技術革新のスピードに驚く生徒さんからは、ロボットやAIによって人間の仕事がなくなることを心配する声もあがりました。しかしながら西郷さんは、「心配しなくて大丈夫」と次のように未来の仕事について説明しました。

「たしかに技術が進化することで、なくなる仕事もあると言われています。でもそれは、単純な作業のような仕事です。機械にやってもらった方が効率的なので、ロボットやAIに代わってもらうためです。
一方、デジタル技術が進化することで、新しい仕事もどんどん生まれます。人にしかできない仕事も増えていきますよ。ですから、みなさんが大人になったときに、仕事の数が足りなくなってしまうのではないかと心配しなくても大丈夫なんです」

出典:ソフトバンク株式会社

デジタル化やIT技術の開発が加速する現代にあって、子どもたちに求められる生き方も大きく変わっていきそうですね。最後に西郷さんから、未来の社会をたくましく生きていくための心構えについてお話がありました。

「技術進化は加速しています。この変化の激しい世の中を豊かに生きていくために、次世代のみなさんには、ものごとを深く考える力が求められます。そのために自分が夢中になれるテーマを見つけることが大切です。
『好きだな』『もっと知りたいな』と思えることがあれば、ぜひ取り組んでみてください。そうして日々を過ごしていくことが、技術が進化して世の中がどんなに変わっても日々を生きていく力になっていきます」

2040年の未来が気になった方は、以下のURLから「すごい明日 体感ドラマ」をぜひご覧になってください。


便利な暮らしは「してみたい」、でも技術革新は「ゆっくり」を希望

「すごい明日 体感ドラマ」を見終えた篠原小学校6年生のみなさん。未来の仕事や暮らしに対する理解は深まったでしょうか? 数名の生徒さんに協力をいただいて、ドラマの感想を聞いてみました!


──「ミライの社会を覗いてみよう!」授業はどうでしたか?

「動画を見るまで想像もつかなかった20年後の僕たちの暮らしがイメージできてよかった! 思ったよりもIT技術の発展が速くて驚いた」

「AIや機械がいろいろと進歩していくことは怖いことかもしれないと思っていたけれど、実際の暮らしを見てみると楽しそうだし、おもしろそうだった」


──動画の中で印象に残ったシーンは?

テレビもカレンダーもすべてのものがデジタル化されていて空間上に手をかざすだけで会議を進められるのがスゴイなって思った」


──2040年には浜松でも動画で見たような暮らしが実現しているかもしれません。浜松がそんな街になっていたら、どう思いますか?

住んでみたいとは思う。でも、いろんな技術を使いこなせるか心配になった。今でも、(授業で使う)タブレットの操作に難しいと感じることがあるので」

「急な変化だとビックリしちゃうけど、ゆっくり変化していけば慣れていけそうな気がする。街や暮らし自体は、ゆっくり進化していってほしい


──ソフトバンクさんがしているようなデジタルの仕事に興味は湧きましたか?

「前よりイメージができたので、興味が湧きました。ドラマのようにあらゆる操作が簡単になっていったら、(ITの仕事が)私たちにもできるかもしれない

「動画を見る前は、ITの仕事に苦手意識をもっていたけれど、(AR技術を使って仕事をする風景を見て)おもしろそうだと思った。自分の仕事によって、あらゆるIT技術が進化していくのは楽しそう」


インタビューに答えてくれた生徒のみなさんは「ほかの授業も聞いてみたい!」と大喜び。そんな様子を見た西郷さんから、以下の感想をいただきました。

「今日、篠原小学校のみなさんにみてもらった社会は、2040年には本当に当たり前になっていると思います。そのための技術開発を今、僕たちも一生懸命行っていますし、技術革新によって世の中に喜びや感動を届けて行きたいと改めて思いました。
ドラマで見たような暮らしが実現した未来に、生徒のみなさんはどうやって生きていきたいのか? どんな仕事をして、どんな生活をしていたいのか?
今日の授業がそんな風に、みなさんが自分の生き方を考える1つのきっかけになっていたら嬉しく思います


あなたの学校にもデジタル・スマートシティ講師を呼んでみよう

講師派遣制度では、市内の小学4~6年生、中学生、高校生を対象に、デジタル関連授業を開催してくださる学校を募集しています。私立・公立/規模などを問わず、すべての市内の学校が申し込みいただけます。

講師派遣制度の申し込み方法は、以下の5ステップのみ。

  • 浜松市HPよりプログラム(授業)一覧をチェック

  • 「講師派遣申込書」を浜松市へ送付(開催希望日の1カ月前まで)

  • 講師との打ち合わせ(日程調整など)

  • プログラム(授業)の実施

  • 所定のフォーマットから浜松市へ完了報告

その他の申し込み条件などはとくにありません。お気軽にお申し込みください。

講師派遣制度への申し込み・詳細はこちらより。


浜松市デジタル・スマートシティ官民連携プラットフォームでも、ご参加いただける企業や団体のみなさんを募集しています(参加無料)。

現在の会員数は、177団体(令和4年7月8日時点)、県内団体が約6割です。モビリティや健康・医療・福祉、防災・安全分野など幅広い分野への関心が高い会員のみなさまにお集まりいただき、各分野の連携や情報共有を進めています。国土縮図型都市と呼ばれる浜松市における社会課題の解決を、デジタル領域から支えていく方針です。

浜松市内においてデジタル・スマートシティの実現に向けた取り組みの実施に意欲のある企業・団体さまは、以下のページよりぜひ参加をご検討ください。